サッカラの階段ピラミッド

エジプトには多くのピラミッドがありますが、その中でも最も古いピラミッドが「サッカラの階段ピラミッド」です。私たちは個人でエジプトを旅行し、車を手配してこの歴史的なピラミッドを訪れました。本記事では、これからエジプト旅行を考えている方に向けて、階段ピラミッドの歴史や見どころを詳しく紹介します。
階段ピラミッドの歴史
サッカラの階段ピラミッドは、古王国時代(紀元前27世紀)に建設されたエジプト最古のピラミッドです。このピラミッドは、第3王朝の王であるジェセル(ゾセル)王のために建設され、建築家イムホテプによって設計されました。それまでの王墓は「マスタバ」と呼ばれる長方形の構造でしたが、イムホテプはこれを6段の階段状に積み重ね、世界初のピラミッドを生み出しました。この革新的なデザインは、後のギザのピラミッドへと発展していく礎となりました。
階段ピラミッドの構造
階段ピラミッドの高さは約60メートルで、6層の段々構造を持っています。ピラミッド全体が石灰岩で作られており、周囲にはジェセル王の葬祭複合体が広がっています。この複合体には、儀式のための中庭や神殿、壁で囲まれた壮大な入口などが含まれています。
ピラミッドの内部には、王の埋葬室が地下に作られています。通路や部屋は迷路のようになっており、墓泥棒を防ぐための工夫が施されていました。現在、内部の多くの部分は立ち入り禁止ですが、外観だけでも十分にその壮大さを感じることができます。
階段ピラミッドの玄室
階段ピラミッドの地下には、ジェセル王の玄室が存在します。玄室は花崗岩で作られており、その中心には王の石棺が置かれていました。ピラミッドの地下構造は非常に複雑で、多くの通路や部屋が迷路のように配置されています。これには、墓泥棒を防ぐ目的がありました。玄室の周囲には、王の埋葬を守るための装飾が施されていたと考えられていますが、長い年月の間に多くが失われています。

階段ピラミッドの見どころ
階段ピラミッドの見どころはいくつかあります。
- ピラミッド本体:世界最古のピラミッドとして、その歴史的価値は計り知れません。
- ジェセル王の葬祭複合体:広大な敷地にはさまざまな建築遺構があり、古代エジプトの建築技術の進化を感じることができます。
- 柱廊入口:ピラミッドへ向かう入口には、エジプトで最も古い石造の列柱が並んでいます。
- 南の墓:ピラミッドの南側に位置するこの建造物には、美しいレリーフが残されており、古代エジプトの芸術を垣間見ることができます。
階段ピラミッドの修復
階段ピラミッドは長年の風化や地震による損傷を受けており、エジプト政府は修復作業を進めてきました。特に、2010年代にはピラミッドの内部構造を強化し、崩壊を防ぐための補強が行われました(下の写真の手前の1段目のところが修復されました)。現在では修復が完了し、観光客が安心して訪れることができるようになっています。

階段ピラミッドにあるセルタブ(ジェセル王の像)
ピラミッドの北側には、「セルタブ」と呼ばれる小さな部屋があり、その内部にはジェセル王の像が安置されています。この像は、王が死後も神として崇められることを目的に設置されたものです。現在、オリジナルの像はエジプト考古学博物館に収蔵されており、ピラミッドにあるのはレプリカですが、それでも当時の王の威厳を感じさせる存在です。
まとめ
サッカラの階段ピラミッドは、エジプト旅行の際にぜひ訪れてほしい歴史的なスポットです。世界最古のピラミッドとしての価値だけでなく、壮大な建築や修復の過程を見ることで、古代エジプトの魅力を存分に味わうことができます。これからエジプト旅行を考えている方は、ぜひサッカラを訪れてみてください!