ダハシュールの赤ピラミッド

私たちは、エジプト旅行のなかで、ギザのピラミッドだけでなく、メンフィス、サッカラ、そしてダハシュールにも車を手配して行きました。その中でも、特に印象的だったのが 赤ピラミッド(Red Pyramid) です。今回は、その歴史や構造、見どころ、おすすめポイントについて詳しく紹介します。
赤ピラミッドの歴史と背景
赤ピラミッドは、紀元前2600年頃に第4王朝のスネフェル王によって建設されたとされています。彼はエジプトのピラミッド建築を大きく発展させた王で、試行錯誤を重ねながら、ついにこの赤ピラミッドを完成させました。
スネフェル王は、最初に屈折ピラミッド(Bent Pyramid)を建設しましたが、傾斜角を急にしたために構造上の問題が発生しました。その反省を活かし、より安定した形状で作られたのが 赤ピラミッド です。これはエジプトで最初の真正ピラミッドとされ、後のクフ王のギザの大ピラミッドにも影響を与えました。
ピラミッドの名前の由来は、建設に使用された赤みがかった石灰岩によるものです。ただし、かつては白い化粧石で覆われていたため、完成当初は赤ではなく白く輝いていたと考えられています。
赤ピラミッドの構造
赤ピラミッドは、
- 高さ:約105メートル
- 底辺:約220メートル
- 傾斜角:43度
という巨大な構造を持っています。現在でもエジプトで3番目に高いピラミッドであり、その規模に圧倒されます。
内部構造は、
- 長い下り坂の通路(約60メートル)
- 3つの玄室(天井が高く、アーチ状の構造)
- 石灰岩で覆われた空間
から成り立っています。天井は見事な持ち送り構造になっており、当時の建築技術の高さが伺えます。
赤ピラミッドの見どころ
1. 内部に入れる貴重なピラミッド
赤ピラミッドの大きな魅力の一つは、実際に内部に入ることができる点です。ギザのクフ王のピラミッドも内部見学が可能ですが、赤ピラミッドのほうが圧倒的に空いており、ゆっくりと探索できます。
内部の通路は狭く、天井が低いため少し大変ですが、進んでいくと開けた空間が広がります。3つの玄室は独特の雰囲気を持ち、歴史を肌で感じることができます。
2. 観光客が少なく、静寂の中で楽しめる
ギザのピラミッドと比べると、赤ピラミッドは圧倒的に観光客が少ないです。そのため、静かに歴史を感じながら、じっくりと見学でき、下のような人が全く写り込まないような写真も撮れます。

3. 周囲に何もない圧倒的なスケール感
ギザのピラミッドは都市の一部になっていますが、赤ピラミッドは広大な砂漠の中にポツンと建っているため、まるで古代エジプトにタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。この景観の美しさとピラミッドの迫力は、ここでしか体験できません。
まとめ
赤ピラミッドは、エジプト旅行の中でも特に印象的なスポットでした。ギザのピラミッドは有名ですが、静かで壮大な雰囲気を味わいたいなら、ダハシュールの赤ピラミッドは絶対に訪れるべき場所です。
エジプト旅行を計画している方は、ぜひギザから足を延ばしてみてください!歴史を感じながら、非日常的な体験ができること間違いなしです。