壮大なるカルナック神殿の魅力

エジプトを個人旅行し、ルクソールのカルナック神殿を訪れました。これからエジプト旅行を考えている方に向けて、カルナック神殿の歴史や見どころを詳しくご紹介します。
カルナック神殿の歴史
カルナック神殿は、紀元前2000年頃から約2000年にわたり増改築が続けられた壮大な宗教建築群です。主にアメン神を祀る神殿として栄え、多くのファラオたちがその拡張に貢献しました。特に新王国時代には、エジプト最大の神殿として君臨し、当時の信仰の中心地でした。
カルナック神殿の見どころ
1. スフィンクス参道
カルナック神殿の入口には、スフィンクスが並ぶ壮観な参道があります。これらのスフィンクスは頭が羊、体がライオンの姿をしており、「クリオスフィンクス」と呼ばれています。アメン神の神聖な動物である羊を象徴しており、神殿の入り口としての威厳を示しています。

2. 大列柱室
カルナック神殿の中でも最も圧巻なのが「大列柱室」です。個人的にカルナック神殿で一番好きな場所です。このホールには、高さ約23メートルの巨大な柱が134本も立ち並び、かつては天井もありました。柱の表面には、古代エジプトの神話や王の功績を描いた美しいレリーフが刻まれており、かつての荘厳さを感じることができます。
特に中央部分の12本の巨大な柱は、壮大な建築技術の証です。ハトシェプスト女王やラムセス2世などのファラオが、このホールの装飾を施しました。

3. ハトシェプスト女王のオベリスク
カルナック神殿には、エジプト史上初の女性ファラオであるハトシェプスト女王によって建てられたオベリスクが立っています。このオベリスクは、高さ約30メートル、重さ約300トンにも及ぶ巨大な一本石の記念碑です。
ハトシェプスト女王は、自身の正統性を示すためにこのオベリスクを建立しました。オベリスクには、アメン神への信仰と女王の偉業が刻まれており、当時の宗教的重要性が伺えます。
しかし、彼女の死後、継承者であるトトメス3世はこのオベリスクを隠そうとしました。彼は周囲に壁を築き、オベリスクを視界から遮ることで、ハトシェプスト女王の存在を歴史から抹消しようとしたのです。それにもかかわらず、オベリスクは現在もその壮大な姿を保ち、彼女の遺産として残り続けています。


4. ハトシェプスト女王の消された壁画
カルナック神殿には、ハトシェプスト女王の壁画が意図的に削り取られた痕跡が残っています。彼女の死後、継承者であるトトメス3世によってその存在を歴史から消し去ろうとする試みが行われました。

5. ハトシェプスト女王の壁画が完全に消されなかった背景
ハトシェプスト女王の壁画が完全に消されなかったのには、いくつかの要因が考えられます。
まず、トトメス3世が彼女の記録を消したのは、彼自身の治世の後半になってからでした。そのため、既に多くの壁画や記録が広範囲に存在し、完全に消し去ることが困難だったことも可能性として考えられます。
一方で、エジプトでは、カルトゥーシュの中の神の名前などを抹消することは神々の怒りを招く行為とみなされることもありました。そして、トトメス3世自身もハトシェプスト女王の影響を受けて育っており、ある程度の敬意を払っていた可能性があります。そのため、彼女の壁画を完全に破壊するのではなく、慎重に削り取る形を取ったのかもしれません。
さらに、カルナック神殿は多くの王によって増改築が続けられており、一部の壁画が埋もれたり、後の時代の修復作業によって残された可能性もあります。
これらの要因が重なり、ハトシェプスト女王の壁画は完全には消されず、現在もその痕跡を確認することができるのです。
最後にカルナック神殿について、詳しく解説されているYouTube動画が↓で、私もエジプト旅行の前に何回か見ました。観光前の事前勉強としておすすめなので、是非見てみてください。
まとめ
カルナック神殿は、古代エジプトの壮大な宗教建築の歴史を感じられる本当に素晴らしい場所です。スフィンクス参道から大列柱室、ハトシェプスト女王のオベリスクや消された壁画まで、見どころ満載です。
ルクソールを訪れる際は、ぜひカルナック神殿を巡り、その歴史と神秘を肌で感じてみてください!