2025.03.08

（王家の谷）ツタンカーメン王墓

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エジプトを旅行するなら、ルクソールの王家の谷は絶対に外せない観光スポットの一つです。その中でも特に有名なのがツタンカーメンの王墓（KV62）です。今回は、ツタンカーメンの歴史や王墓の発見、内部構造、見どころ、そして未発見の部屋の可能性について詳しく紹介します。

ツタンカーメンの歴史と人物像

ツタンカーメンは古代エジプト第18王朝のファラオで、紀元前1332年から紀元前1323年の約10年間、在位しました。即位したのはわずか9歳の時であり、若くしてエジプトの王となりました。

彼の時代は、父アクエンアテンが推し進めた宗教改革（アテン信仰）の影響を受けていましたが、ツタンカーメンはこれを元に戻し、従来のアメン信仰を復活させました。しかし、彼は19歳という若さで急死し、王としては大きな功績を残すことなく、その死には謎が多く残っています。

ツタンカーメンの王墓発見の歴史

ツタンカーメンの王墓は1922年、イギリスの考古学者ハワード・カーターによって発見されました。それまで王家の谷では多くの墓が発掘されていましたが、ツタンカーメンの墓は比較的小規模で、長年未発見のままでした。

カーターの発掘隊は、当時スポンサーであったカーナーヴォン卿の支援を受け、王家の谷を掘り進めました。そして1922年11月4日、彼らは階段状の入り口を発見し、そこに封印された扉を発見しました。1922年11月26日、扉を開けたカーターが「何が見えるかね？」と問われ、「はい、素晴らしいものが」と答えたという逸話は有名です。

この墓は盗掘をほぼ免れており、ファラオの埋葬品が大量に残されていました。ツタンカーメンの黄金のマスクや玉座、戦車、日常品など、多くの貴重な遺物が発見されました。

ツタンカーメンの王墓の構造

ツタンカーメンの王墓（KV62）は、他のファラオの墓と比べると非常に小規模です。通常、ファラオの墓は複雑な構造を持っていますが、ツタンカーメンの墓は急遽作られたと考えられています。

墓の主な構造は以下の通りです。

玄関通路：
- 階段を下りていくと、玄関通路に繋がります。
前室（アンテチェンバー）：
- 王墓の中で最初に発見された部屋。
- 壁には装飾がなく、戦車や家具など多くの埋葬品が置かれていました。
副室（アネックス）：
- 生活用品や貴重品が多数収納されていた部屋。
埋葬室：
- ツタンカーメンのミイラが納められていた部屋。
- 壁画が施され、死後の世界に関するシーンが描かれています。
宝物庫：
- 黄金の彫像や貴重な副葬品が多く発見された部屋。

ツタンカーメンの王墓の見どころ

ツタンカーメンの墓を訪れる際に注目すべきポイントを紹介します。

埋葬室の壁画
- ツタンカーメンの死後の旅やオシリス神との対面が描かれている。
- 他の王墓と比較すると装飾がシンプル。
ガラスケースに収められたツタンカーメンのミイラ
- 現在、ツタンカーメンのミイラは墓の中に安置されており、訪問者が直接見ることができる。
墓の構造のシンプルさ
- 他の王墓に比べて規模が小さく、急遽用意されたことが分かる。

ツタンカーメンの遺物はどこで見られる？

ツタンカーメンの墓から発見された最も有名な遺物には、黄金のマスク、黄金の玉座、副葬品の数々があります。これらの多くは2024年12月現在、エジプト考古学博物館に収蔵されています（今後、大エジプト博物館（GEM）に移動される予定のようなので訪問する際は事前に確認してみてください）。

特に、黄金のマスクはツタンカーメンの象徴ともいえる遺物で、細部まで精巧に作られた美しい工芸品です。カイロを訪れる際は、ぜひ博物館に足を運び、これらの貴重な遺物を間近で見てみてください。