フィラエのイシス神殿

エジプトには数多くの遺跡がありますが、その中でも特に美しいとされるのがフィラエ島にあるイシス神殿です。今回は、個人旅行で訪れたイシス神殿の歴史、移築の経緯、そして、対岸のSolaih Nubian Restaurantでのランチについてご紹介します。
イシス神殿の歴史とクレオパトラ
イシス神殿は、プトレマイオス朝時代(紀元前4世紀〜紀元前1世紀)に建設された神殿で、エジプト最後の女王クレオパトラとも関係が深いとされています。イシス神は母性や豊穣を司る女神で、古代エジプトだけでなくローマ帝国時代にも広く信仰されていました。
クレオパトラ7世は、ローマとの関係を強化するためにこの神殿で儀式を行ったとも言われています。彼女の愛人であったローマの将軍アントニウスもイシス神信仰に関心を寄せていたため、イシス神殿はローマとの結びつきを象徴する場所でもあったのです。
移築されたイシス神殿の歴史
現在のイシス神殿は、もともとの場所ではなく移築されたものです。その理由は、1960年代に完成したアスワンハイダムによる水位上昇です。ダム建設によって多くの遺跡が水没の危機にさらされましたが、ユネスコの支援によりイシス神殿はフィラエ島からアギルキア島へと移されました。
移築作業は1972年に完了し、元の場所とほぼ同じように再構築されました。現在でもその壮麗な姿を楽しむことができますが、神殿の柱や壁の一部には過去の水害による痕跡が残っています。
トラヤヌス帝のキオスク
イシス神殿の敷地内には、「トラヤヌス帝のキオスク」と呼ばれる美しい建築物があります。これはローマ皇帝トラヤヌス(在位:98〜117年)が建設したとされるもので、未完成のまま現在に至ります。
キオスクは、高さのある柱が並ぶ開放的な空間を持ち、まるでエジプトとギリシャ・ローマ建築が融合したようなデザインです。特に、神殿へ向かうボートから眺めると、その美しさが際立ちます。

Solaih Nubian Restaurantでのランチ
イシス神殿観光をした後は、対岸にあるSolaih Nubian Restaurantでランチを楽しみました。ここはヌビア料理を提供するレストランで、対岸のイシス神殿を見ながら食事ができるのが特徴です。
川を眺めながらゆったりとした時間を過ごせるこのレストランは、観光後の休憩にぴったりの場所で景色もよくオススメです。

まとめ
フィラエのイシス神殿は、エジプトの歴史や文化を感じることができる素晴らしい遺跡です。クレオパトラやローマ帝国との関係、移築の歴史、ローマ時代の建築であるトラヤヌス帝のキオスクなど、見どころが満載です。
観光後は対岸のSolaih Nubian Restaurantでヌビア料理を楽しむのもおすすめです。エジプト旅行でアスワンを訪れる計画している方は、ぜひフィラエ島を訪れてみてください!