【トルコ旅行記】カッパドキアの「カイマクル地下都市」

トルコ・カッパドキアを訪れるなら、一度は足を運んでみたいのが「カイマクル地下都市(Kaymakli Underground City)」です。今回は、私たち家族3人が実際に訪れた体験を交えながら、この不思議な地下の世界についてご紹介します。これからトルコ旅行を計画されている方の参考になれば幸いです。
カイマクル地下都市の基本情報
カイマクル地下都市は、トルコ・カッパドキア地方にある代表的な地下都市のひとつです。場所はネヴシェヒルの南約20kmほどに位置し、ギョレメやユルギュップといった観光拠点から車で30分ほどでアクセスできます。公共交通機関は限られているため、ツアー参加か、レンタカー・タクシー利用がおすすめです。私たちはギョレメから車を手配して行きました。
この地下都市は、地下8階にも及ぶ巨大な迷宮構造を持ちます。現在公開されているのはおよそ4階までで、観光客でも無理なく歩ける範囲に整備されています。ただし、通路はとても狭く、背をかがめないと通れない場所や、急な階段もあるため、小さなお子さん連れや閉所が苦手な方は注意が必要です。娘のみならず私達も最初は探検気分でしたが、大人は腰をかがめて進むのが大変でした。

見どころポイント
カイマクル地下都市を訪れると、まず驚くのはそのスケールです。石をくり抜いて作られた通路や部屋が、まるで巨大なアリの巣のように張り巡らされています。
① 換気システム
この地下都市の最大の特徴は、驚くほど効率的な換気システム。縦に伸びる大きな通気口があり、深い階層にいても新鮮な空気が届きます。数千年前にこれほどの技術があったことに感動しました。
② 巨大な石の扉
敵が侵入してきたときに備えて、丸い石の扉を転がして通路を封鎖する仕組みも見どころのひとつです。実際に見ると「インディ・ジョーンズ」の映画さながらで、当時の人々の知恵と緊張感が伝わってきます。
③ 生活空間
ワインを貯蔵する部屋、家畜を飼育するスペース、共同台所や教会跡なども残っており、ここで本当に人々が暮らしていたことが実感できます。特にワイン蔵はカッパドキアならではで、トルコのワイン文化の深さも感じられました。

カイマクル地下都市の都市伝説と歴史
カイマクル地下都市がいつ、誰によって作られたのかには諸説あります。一般的には紀元前のヒッタイト時代にその起源があると言われていますが、現在のように大規模に整備されたのは初期キリスト教徒の時代だと考えられています。

なぜ作られたのか?
カッパドキアは歴史的に多くの民族や帝国に支配されてきた土地です。その中で、迫害を逃れるための隠れ家として地下都市が利用されたとされています。特に初期キリスト教徒がローマ帝国の迫害から身を守るために、長期間ここで生活していたという伝説が残っています。
どのように使われていたのか?
都市伝説では、数千人規模の人々が数か月間、外に出ることなく暮らせたとも言われています。食料や水の備蓄、空気の循環システム、敵を防ぐ仕掛けなど、まるで要塞のような工夫が随所に見られます。ガイドさんは「もし敵に攻め込まれても、ここなら数か月は耐えられる」と話していました。
また、一部の学者は「侵略者から逃れるだけでなく、地熱を利用して寒さをしのぐ知恵でもあったのでは」と推測しています。地下は年間を通して一定の温度が保たれるため、厳しい冬や暑い夏でも快適に過ごせたのかもしれません。
まとめ:カイマクル地下都市はカッパドキア必見のスポット
実際に訪れてみると、写真やガイドブックで見ていた以上に迫力がありました。人間の生き延びるための知恵と工夫が詰まった地下都市は、ただの観光地というより「生きた歴史の博物館」のように感じられます。
子どもにとっては冒険心をくすぐるスポットであり、大人にとっては古代の人々の暮らしを肌で感じる学びの場。家族みんなが楽しめる観光地でした。カッパドキアを訪れる際には、気球や奇岩群と合わせて、ぜひカイマクル地下都市も旅程に組み込むことをおすすめします。

実際に行く際のアドバイス
- 動きやすい服装とスニーカーがおすすめ
- 通路が狭いので大きなリュックは避けた方が良い
- 夏でも地下はひんやりしているので、羽織ものがあると安心
- 歴史背景を知ってから行くと満足度アップ
カッパドキアは空からの景色が有名ですが、地の下の世界にも驚きとロマンが詰まっています。私たち家族の旅でも、忘れられない思い出となった場所でした。これから訪れる皆さんも、ぜひ「地下の冒険」を楽しんでください。
