書籍解説

【書籍解説】『女子大生、オナホを売る。』

naoya.sakaguchi0528@gmail.com

起業や新規事業に興味がある方に、ぜひ一度手に取ってほしい一冊があります。
それが、**神山理子(通称:リコピン)**さんの著書『女子大生、オナホを売る。』です。

本書は、神山さんが大学在学中にオナホールという性具を開発・販売し、D2Cブランドとして成功に導いたリアルな体験記でありながら、マーケティングやコンセプト設計、事業戦略の要点が惜しみなく詰め込まれた、“起業の教科書”ともいえる一冊です。

今回は、この本を実際に読んで感じた学びを交えながら、以下の4点を中心にご紹介します。


1. 著者・神山理子(リコピン)さんについて

神山理子(かみやま りこ)さんは1997年生まれ、大学時代にオナホールを開発・販売し話題となった若き女性起業家です。
在学中からマーケティングや商品開発に強い関心を持ち、実際にメディア事業や海外でのスタートアップ経験を積みながら、独自の切り口で性具市場へ参入。性にまつわる偏見や、女性であることのハンデを逆手に取り、逆境の中でも着実にブランドを構築していきました。

現在はD2C事業やコンサルティング、情報発信など多方面で活動しており、「尖ったアイデア」を「売れる商品」に変えるプロセスを多くの人に伝えています。


2. 『女子大生、オナホを売る。』の基本情報

  • 書名:女子大生、オナホを売る。
  • 著者:神山理子(リコピン)
  • 出版社:実業之日本社
  • 発売日:2023年4月
  • ジャンル:起業・D2C・マーケティング・エッセイ
  • ページ数:約240ページ

一見するとセンセーショナルなタイトルですが、中身は極めて真面目で実践的。起業初心者だけでなく、商品企画やマーケティングに関わる全ての人にとって価値ある一冊です。


3. 『女子大生、オナホを売る。』の要点まとめ

以下は、本書を読んで特に参考になったポイントです(★は特に重要だと感じた部分)。


★1. 明確な理由を持つ商品を、漠然と売れる市場へ投入せよ

“なんとなくニーズがありそう”という市場は、競争が激しく価格競争になりがち。
そこで著者は、「この商品を“なぜ買うか”が明確なコンセプト」を持ったオナホを、漠然と売れるアダルト市場に投入。結果として、競合と戦わずに売れる道を切り開きました。

「売れる市場 × 強いコンセプト」こそ、勝てる事業の方程式


★2. 顧客が「少しだけ冒険でき」かつ「深い欲求に根差した」領域を選ぶ

神山理子さんが選んだ「オナホール」という商品は、まさにこの“ちょうどいい冒険”の象徴です。

多くの人にとって、性に関する商品は強い関心がある一方で、日常の会話や購買行動では避けられがちなジャンル。公には語らないけれど、誰もが何かしらの思いや体験を持っている——そんな“深い欲求”のある領域です。

神山さんはそこに、「この商品を“なぜ買うか”という明確なコンセプト」を加えることで、販売を伸ばしました。

→ 顧客が「少しだけ冒険でき」かつ「深い欲求に根差した」領域にこそ、未開のブルーオーシャンがある。


3. 競合と同じ視点で戦わない

市場にある既存商品がアピールしているポイントでは勝てない。だからこそ、盲点だった“かゆいところ”に注目する。たとえば「洗いやすさ」「パッケージの恥ずかしさ回避」「ユーザー心理の理解」など。

→ 商品設計では、本当に困っていることを最大の価値にするべし。


★4. 自分にしかできない参入障壁を見つける

「性具を女子大生が真面目に売る」という構図自体が、すでに参入障壁です。

  • 自分の強みを活かせる
  • 他社が倫理的に参入しにくい
  • 周囲がやりたがらない(でも需要はある)

これらを掛け合わせれば、“代わりがいない”ビジネスになります。
加えて、「めちゃくちゃ好き」「異常に熱量がある」ことも、事業を伸ばすうえで超強力な武器になります。


5. インサイトは決め打ちせず、検証を重ねる

顧客の“本音”=インサイトは、机上では見つかりません。
インタビューやヒアリング、プロトタイプテストを繰り返すことで、ようやく「そう、まさにこれが欲しかった!」という商品に辿り着きます。

仮説ではなく、検証からしか本物のコンセプトは生まれない。


6. コンセプトは「差別化 → 期待 → 確信」の流れで届ける

顧客は、まず「なんか違う」「なんか気になる」と思い、
商品説明を読んで「これいいかも」と思い、
購入直前には「やっぱり間違いない」と感じる。

この流れを意識して、キャッチコピー・商品名・説明文を設計することが重要です。


その他の印象的な学び

  • 「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか」など、違和感のあるネーミングが記憶に残る
  • 自分の購買行動を分析するクセをつける(なぜそれを買ったのか?)
  • 出会った人に「最近ハマってるもの」を聞いてみると、新しいアイデアが生まれる
  • SEOよりも「買いたくなるネーミング」を優先する
  • アダルト領域で広告制限があるなら、メディア掲載・口コミ・コアファン育成で勝負する

4. この本を実践に活かすアクションプラン

この本を読んで終わりにしないために、私は次の3つのアクションプランを考えました。


■① 自分だけの“ズラし領域”を探す

今ある市場の中で、「自分がちょっと変だと思っているポイント」「他の人が気づいてない不便さ」に目を向けてみる。(そこにこそ、“誰にも気づかれていない需要”が眠っているかもしれない。)


■② 熱量で押し切れる分野を探す

「自分はこれが好きで仕方ない」「朝まで語れる」「暇さえあれば調べてる」そんな“狂った熱量”を持てるテーマがないか普段から意識して探す。


■③ 顧客の声を拾うクセをつける

  • なぜこれが選ばれたのか
  • どこで買われたのか
  • 使った感想はどうか

友人との会話でも、自分の購買体験でも、上の観点で考えてみる。(インサイトのヒントは日常の中にある。)


まとめ:売るのは”商品”ではなく、”思想”である

『女子大生、オナホを売る。』は、奇抜なタイトルに反して、とても誠実で実践的な起業・マーケティングの教科書です。

神山理子さんは、“性”というタブーを通じて、
「ビジネスは、人の本音に寄り添うこと」
「尖ることが、最大の差別化になること」
そして「誰にもできないことを、自分の価値にする」ことを教えてくれます。

副業を考えている人、D2Cやブランドを立ち上げたい人、あるいはちょっと人生を面白くしたい人。この本は、あなたの“挑戦したい心”に火をつけてくれる一冊です。


おすすめ度:★★★★★
特に刺さる人:起業家・副業志望・マーケター・商品開発職・尖りたい人

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ぐっち
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駆け出しブロガー
私は1985年生まれの大阪出身で、現在は海外赴任で中国(蘇州)に家族(妻/子供/猫)で住んでいます。
私の趣味は、旅行やランニング、グルメ等なのでこのブログではそのような情報などを皆様にお届けできればと考えています。
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